口約束での借金の時効に関するQ&A

文責:代表 弁護士 西尾有司

最終更新日:2024年09月19日

Q借用書がない口約束での借金なのですが、時効はあるのでしょうか?

A

 時効はあります。

 時効のうち、借金の返済に関して問題になるのは消滅時効です。

 消滅時効は、一定の期間が経過したことで、借金の返済義務を消滅させる制度です。

 時効自体は、書面が残っているか口約束しかないかにかかわらず期間は経過するので、口約束での借金にも時効はあるということになります。

Q口約束のみでの借金の場合、時効援用はできるのでしょうか?

A

 時効の援用は可能です。

 時効は、援用しなければ効力を生じません。

 つまり、時効に必要な期間が経過しても、法律上時効で払う義務がなくなった状態ですという主張をしない限り、借金の支払義務は消滅しません。

 先ほど口約束での借金にも時効があるとお伝えしましたが、口約束の借金も時効に必要な期間が経過した後に、時効の援用をすることで、借金の支払義務をなくすことができます。

Q口約束での借金について時効援用する際の注意点はなんですか?

A

 書面が残っている借金の時効の援用の場合、書面を見て必要な期間が経過しているか確認し、どの借金の時効を援用するのか特定したうえで、内容証明郵便等証拠が残る形の文書で時効の援用をするのが通常です。

 この流れでいうと、第一に、必要な期間が経過しているかの確認が難しい点に注意が必要です。

 書面がないのでいつ貸したか、いつ返したか等の証拠がはっきりせず、必要な期間が経過しているかあいまいなケースがあります。

 第二に、どの借金の時効を援用しているのか特定しにくい問題があります。

 同じ人から何回も借金している場合で、一部だけ時効に必要な期間が経過している場合、第三に、貸した相手の住所が分からない場合、書面を送るのが難しいという問題があります。

 しかし、第一や第二は分かる範囲の情報で文書を送ってみて相手の反応を見ないと仕方ないでしょうし、第三の点は、メールやラインを使ったり、電話で時効の援用をするという方法もあります。

 口約束だけの借金でも、取立てに困っていて、少なくとも最後の借入や返済から5年以上経過しているのであれば、時効の援用の可能性がないか相談いただくとよいでしょう。

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